英検(実用英語技能検定)は、日本で最も普及している英語能力評価の一つです。この試験に興味がある方や、すでに受験を検討している方のために、英検に関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。質問1から9までは、従来のペーパーベースのテストに関する情報を提供しています。また、質問10では、新しいコンピュータベーステスト(CBT)と従来のテスト方式の違い、それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説しています。
Q1: 英検とは何ですか?
A1: 実は、英検と呼ばれる英語検定は商業高校を中心に実施されている全商英検や国連の機関・役割なども含めた問いが出る国連英検など複数存在しますが、日本で一般的に英検、と言われている英検実用英語技能検定は、日本英語検定協会が主催する英語の検定試験です。英語の読解、リスニング、ライティング、スピーキング能力を評価し、合格すると級ごとに認定証が発行されます。1級から5級までの7つのレベルがあります。
Q2: 英検の受験級はどのように決めればよいですか?
A2: 自分の英語力や目標に応じて受験級を選びます。まずは、公式サイトの「目安表」を参考にするのをおすすめします。これまで公立高校で勤務してきた私の感覚での取得目標時期は以下の表のとおりです。
級 |
取得目標時期 |
5級 |
中1終了時 |
4級 |
中2終了時 |
3級 |
中学卒業時 |
準2級 |
高校1年終了時 |
2級 |
高校卒業時 |
準1級 |
英語に関する学部・学科を大学で専攻した場合は大学卒業時 |
1級 |
準1級取得後、更に高みを目指したい時 |
上記の表は、あくまで私が指導をしてきた中で、この時期までに○○級を取得しよう、と目標にしてきたものです。もちろん、個人の英語力に応じて早めても遅めてもよいと思います。英検2級以上は、文法の範囲が広がる、というよりも語彙レベルが上がると同時に英文の構造が複雑になります。
Q3: 受験申し込みの方法は?
A3: 個人での英検の受験申し込みは、公式サイトからオンラインで行います。受験者情報を入力し、受験料を支払うことで申し込みが完了します。また、学校や塾などでまとめて受験を申し込む「団体申し込み」も可能です。その場合は通われている教育機関にお問い合わせください。詳しい申込期間や試験日程は公式サイトで確認してください。
Q4: 試験の内容と形式はどのようになっていますか?
A4: 英検は、全級に共通してリーディング、リスニングの問題が出題されます。また、3級以上は1次試験ではライティングが、2次試験では面接(スピーキング)が出題されます。各級ごとに試験内容や難易度が異なり、詳細は公式サイトや受験対策書で確認できます。
Q5: 英検の勉強方法を教えてください。
A5: 英検の勉強方法は以下の通りです:
過去問を解く:過去問を繰り返し解くことで出題傾向を把握します。
単語力を強化:各級に合わせた単語集を使って語彙力を高めます。語彙力は「スキマ時間」を活用して効率よく勉強することをオススメします。語彙の学習については、効果的な語彙学習のやり方をまとめた投稿を参考にされてください。
リスニングの練習:必ず「音声」を使って行いましょう。まずは問題を解き、間違えた問題は①聞き取れない②語彙がわからない③言われていることがわからないのか、どの部分で躓いているかを確認し、スクリプトを見て内容を確認した後音読しましょう。「言えない音は聞こえない」ですよ。
ライティング練習:まずは問題集にある解答例を書き写してみましょう。その級で求められている語彙や英文の「型」を知るよい機会になります。その後、過去問に取り組むとよいです。また、自分一人ではなかなか添削しづらいもの。AIを使った添削やオンライン等での添削サービスを利用するとよいでしょう。
スピーキング練習:英会話教室やオンラインレッスンで一度「模擬面接」をやることをオススメします。
なお、2次試験対策のスピーキング練習は1次試験に合格してからでも十分間に合います。まずはしっかり土台となる語彙力や文法力を身につける一次試験対策をすることをオススメします。
Q6: 試験結果はどのように発表されますか?
A6: 試験結果は、試験後に公式サイトで確認できます。また、紙の成績表が郵送されます。合否に加えて、各セクションごとの得点やフィードバックが提供されます。二次試験がある場合は、早めに一次試験の合格を確認できるオンラインサービスを利用し、二次試験までの時間をフル活用することをオススメします。
Q7: 英検に合格すると何が得られますか?
A7: 英検に合格すると、合格証書が授与されます。これにより、自身の英語力を証明することができ、進級・進学や就職の際に役立ちます。また、一定の級以上の合格者は、学校によっては増単位対象になったり、大学入試や留学の際に有利になることがあります。
上記の内容に加え、自分自身の英語力を客観的に把握することで自信がつき、確信を持って英語を使うことができるようになったり、英語と向き合うことができるようになります。社会的に認められた資格取得することで、モチベーションも上がり、英語学習に積極的に取り組むことができるようになります。
Q8: 再受験は可能ですか?二次試験で落ちたら再受験ですか?
A8: もちろん可能です。何度でも再受験できます。合格するまで挑戦することで、英語力をさらに高めることができます。
また、二次試験で不合格になった場合は一次試験免除期間が1年間与えられます。よって不合格になった後3回は二次試験にチャレンジすることができます。
Q9: どんな教材が英検対策におすすめですか?
A9: 人によって取り組み方が違いますし、耳からの情報が得意な人、目からの情報が得意な人とさまざまなので一概に指定することは難しいです。本教室では、以下の教材のいずれかを購入していただき、対策しています。
過去問題集:英検公式から出版されている過去問題集
「ひとつひとつ」シリーズ:わかりやすい解説と練習問題が豊富な教材
各級の単語帳:各級に合わせた頻出単語を学べる単語帳
Q10: 従来型とCBTの違いは何ですか?
A: 英検には従来型(ペーパー方式)とCBT(Computer Based Testing)の2つの形式があります。それぞれの違いについて詳しく説明します。
英検従来型(ペーパー方式)
英検従来型(ペーパー方式)の特徴
試験形式: 筆記試験は問題冊子で提供され、マークシートで解答します。面接試験は面接官との対面形式で行われます。
試験日: 年に3回(通常、春季・秋季・冬季)開催されます。
会場: 学校や指定された試験会場で実施されます。
受験者層: 小学生から大人まで幅広い層が受験します。
英検従来型のメリットとデメリット
メリット①慣れ親しんだ形式: 受験生が慣れ親しんでいる紙ベースの試験形式。
メリット②幅広い受験会場: 全国各地で実施されるため、受験場所の選択肢が多い。
デメリット①結果の通知が遅い: 試験結果が出るまでに時間がかかる。
デメリット②試験日が固定: 年3回の試験日が決まっているため、受験スケジュールが限られる。
英検CBT(コンピュータ方式)
英検CBT(コンピュータ方式)の特徴
試験形式: コンピュータ上でリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの全てを実施。
試験日: 年間を通じて複数回実施されるため、受験日を選びやすい。
会場: 指定されたテストセンターで実施。
受験者層: 主に中学生以上の受験者が対象。
問題表示と回答: すべての問題と回答がコンピュータ画面上で行われる。
スピーキングテスト: コンピュータを通じて実施され、音声録音される。
CBT型のメリットとデメリット
メリット①柔軟なスケジュール: 試験日が多いため、自分の都合に合わせて受験日を選べる。
メリット②迅速な結果通知: 試験結果が比較的早く通知がくる。
デメリット①慣れが必要: コンピュータでの試験形式に慣れる必要があります。
デメリット②会場が限られる: 指定されたテストセンターが従来型より少ない場合がある。
メリットにもデメリットにもなりうるのが、一度に全セクションが実施されること。 一度の受験でリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングをすべて完了するため、一度の受験で合格することができるが、その分対策も多岐にわたる領域の学習が必要にもなる。
これらの違いを理解した上で、自分のニーズやスケジュールに合わせてどちらの形式で受験するかを選ぶことが重要です。英検の公式サイトや受験ガイドも参考にしながら、最適な受験形式を選びましょう。
上記のこと以外でも英検に関する質問があれば、コメント欄やお問い合わせフォームからお気軽にお尋ねください。みなさんの英検合格を祈っています!
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