TEDを使った効果的な英語学習方法 教育関連のオススメ動画

ted 英語学習方法

英語学習をおこなっている人にとって、TEDという言葉を聞いたことがない人はいないのではないでしょうか。とはいえ、どのようにTEDを英語学習に取り入れたらよいかなんだかTEDって敷居が高そう…という人向けに、TEDを使った英語学習方法を、長崎 諫早英語教室narynglishがお伝えします。

後半では、「学習者」「教育者」の立場で共感できる動画を選びましたので乞うご期待!

TEDってなに? なぜ英語学習に効果的?

TEDとは(Technology Entertainment Design)で米国に本部を置く非営利団体で、大規模な世界的講演会「TED カンファレンス(Conference)」を毎年開催していることで有名です。

TEDの事業の1つが、世界の各分野の専門家や著名人がスピーチする講演の中から動画をピックアップして無料配信する「Ted Talks」です。

この「Ted Talks」が英語学習に効果的であると言われており、一般的に「TED」と言えば「Ted Talks」のことを指します。

TEDが英語学習に非常に効果的な理由はたくさんありますが、今回は5つ紹介します。

高品質な英語コンテンツ

TEDは世界中の著名なスピーカーによる講演を提供しています。これらの講演は高品質で、様々なテーマについて幅広い知識や洞察を提供しています。そのため、興味深いコンテンツに触れながら英語を学ぶことができます。

リアルな英語の使用でのリスニング・スピーキング力向上

TEDのスピーカーはネイティブスピーカーであり、自然な英語を使用しています。そのため、リアルな英語のリスニング練習ができます。また、スピーカーの発音やイントネーションを学ぶことで、自分の発音やリズムなどスピーキング力を改善することもできます。

文化や世界観の理解、視野の拡大

TEDの講演は様々な国や文化の視点から行われています。これにより、英語学習だけでなく、異文化理解やグローバルな視野を広げることもできます。異なる視点からの情報に触れることで、より広い視野を持つことができます。

トピックの多様性

TEDは科学、技術、芸術、社会問題など、様々なトピックをカバーしています。自分の興味や関心に合わせてトピックを選ぶことができるため、学習のモチベーションを高めることができます。自分が興味を持つトピックについて学ぶことで、学習の効果も高まります。

スクリプトと字幕の提供

TEDのウェブサイトでは、ほとんどの講演に対して英語のスクリプトや字幕が提供されています。有名なTED talksになると日本語への翻訳もされていることが多いので、簡単に内容を理解することができます。英語のスクリプトでは聞き取りの難しい部分を確認しながら学ぶこともできます。スクリプトや字幕を活用することで、新しい単語や表現を学ぶだけでなく、文法や表現力の向上にも役立ちます。

これらの理由から、TEDは英語学習において非常に効果的なツールと言えます。

TEDを使った効果的な学習例

やるからには、効果的な学習方法で英語を身につけましょう。ここで大切なのは「?」→「!」になること。段階を追って説明していきます。

ビデオ視聴(リスニング)

まずはスクリプトなしでビデオを視聴してみましょう。英語が苦手な人は、5分以内のビデオを選ぶようにしましょう。多少英語に耐性がある人は自分が興味のあるトピックを選べば、10分以上のビデオでも大丈夫でしょう。私は教育関係のビデオはいくらでも見ることができますが、苦手な科学系で興味がなくなると5分持ちません…。

ビデオ視聴でのポイントは、内容理解ではありません。私がここで大切にしているのは、

  • どんな単語が聞こえたか?
  • なんとなく話の流れが想像できるか?
  • 観客(オーディエンス)が笑っているときに一緒に笑えたか?です。

ここで多くの「?」が出るのはOK! むしろ「?」が多い方が後の学習で得るものが多くなります。

ただし、80%以上わからないものを苦痛に耐えながら視聴し続けるのはオススメしません途中で視聴をやめてOK!という心持で視聴しましょう。

スクリプトを見ながらビデオ視聴(内容理解)

ビデオ視聴が終わったら、次はスクリプトを見ながらもう一度ビデオ視聴をしてみましょう。この時のスクリプトは、英語でも日本語でもOK!大事なのは、「内容理解」をすることです。

私の場合は、英語のスクリプトで内容を確認し、念のためわかりづらかったところは日本語訳を参照するという学習をしています。一言一句対訳で理解する必要はありませんが、この時に「こういうことを言っていたのかぁ」と「?」→「!」に変わっていく最初の「学び・発見」を実感しましょう。

気になる表現の確認(語彙習得)

ビデオ視聴をし、スクリプトで確認していると、気になる表現・自分の心にとめておきたいフレーズや今後使ってみたい言葉が出てきます。

例えば私は、リタ・ピアソンさんの「すべての子どもに強い見方を」(Why every student deserves a champion | Rita Pierson)を視聴したとき、

Teaching and learning should bring joy.

(教え学ぶことには喜びを伴わなければならない)

という文にとても共感し、スケジュール帳にすぐメモをしました。このような一文をメモしておくこと、は後に自分の意見を述べる場面で活かされます。また、のちにメモを見返したときに、自分を鼓舞してくれることもあり、学習へのモチベーションが上がります。

音読練習(オーバーラッピング)

オーバーラッピングとは、「英文を見ながら音声に合わせて読む練習をすること」です。よくシャドーイングという言葉も耳にしますが、シャドーイングとは「何も見ずに音声に合わせて読む練習をすること」です。音読練習の最初からシャドーイングをするのは免許取りたての人が高級車を乗り回すような無謀さがあります。まずはしっかり、スクリプトを見て、文字と音をつなげながら練習を行いましょう。

なお、話されている内容が理解できてから音読練習をおこないましょう。意味も分からない英文をただ声を出して読んでも時間の無駄になりかねません。音読練習をする前には必ず「スクリプトを見ながらのビデオ視聴」でしっかりと意味を確認しておくようにしましょう。

なお、このオーバーラッピングには

  1. リスニングスキルの向上:話されるペースやイントネーション、アクセントを正確にとらえることで、自然な英語のサウンドに慣れることができる
  2. 発音の向上:英語音声の発音に近づくように注意深く音読する音で発音力向上につながる
  3. リズムや強弱の習得:自然な英語のリズムや音の強弱を習得できる

といったメリットがあります。私が生徒に指導するときは、「自分が発音できない音は聞こえない」とよく伝えます。オーバーラッピングでの音読練習をすることで、上記のような音声面でのメリットは多くあります。

また、音読練習のもうひとつの目的は、文法や表現を何度も音読することで、文法や表現を身体や脳ににしみこませ「英語を自動化する=英語を自在に使う」ことができるようになります。このオーバーラッピングでスクリプトを見ながらしっかりと音読できるようになったらシャドーイング練習をしてさらに精度を高めるとより良いですね。

ぜひ、正しい手順で音読練習をし、英語力を身につけていきましょう。

自分の意見を表現

有名な人たちの素晴らしいスピーチを音読できるようになるだけでも十分な英語学習といえます。が、せっかくならばそこから自分がどんなことを感じたのか、またどのように学んだ英語を活かせるのかを発信してみるのはどうでしょう?

ここで日本人が気になるのが「自分が書いた英語が合っているのか(=正しいのか)」 ご心配なく。最近では、GrammaryやDeepL、Chat GPTなど様々なアプリで添削してくれます。これらをうまく使い、自分の英文にどんな誤りがあるのかを確認したうえで、私のようにブログなり、SNSなどで自分の気持ちを英語で表現してみてはどうでしょう?

私が現在受け持っている生徒さんの中には、英語学習アカウントを作り、私とのレッスンで学んだ英語を「ひとり言英語」として覚書程度にSNSで発信している方がいらっしゃいます。英語は使わなければ身につかないので、とてもよい学習方法だ、と感心しました。

英語で自分の意見を表現し、それを世界に向けて発信することで、様々な意見をもらえるきっかけになるかもしれません。もちろん、リテラシーには十分気をつけてほしいですが、自分の意見を英語で発信する、ということはとても意義のあることです。また、運よくTEDのスピーカーの目に触れ、「いいね」なんてもらえた日には学習意欲がますます上がることまちがいなし、ですね。

教育者・学習者におすすめTED動画

それではいよいよTEDを視聴してみよう!という心づもりになった時に壁として立ちはだかるのが…「どのビデオを見るか」問題。オススメは「自分の興味がある分野」に関するものが一番です。ウェブ上にたくさんのオススメ動画がレベル別、分野別に紹介されているのを検索するのもよいでしょう。

私がもっとも興味のある分野は「教育」です。よって、私は「教育」に関する動画ばかりを見てしまいがちです。よって、私が紹介できるのはこの「教育分野」となるわけですが、今回は「教育者」「学習者」の2パターンでオススメのものを紹介します。

教育者にオススメのTED動画

「すべての子どもに強い味方を」リタ・ピアソン (Why every student deserves a champion | Rita Pierson)

祖父母の代から教員という家庭環境と40年の教師経験の中から発せられた教育者に向けて、生徒たちを信じ、生徒たちと実際に人間同士のつながりを持つ大切さを語った熱いメッセージです。内容はもちろん、彼女のdelivery(伝え方)の情熱もぜひ楽しんで学びながら視聴してほしいです。

私は本当にこのビデオが大好きで、初めて視聴したときには釘付けになりました。特に下に抜粋した箇所には大変感銘を受け、繰り返し聞きオーバーラッピングし、言葉を自分の中に取り込みました。

このようにプレゼン全体ではなく特に印象に残った一部分に焦点を当て学習するのもよい英語学習方法です。みなさんもぜひ視聴しながら彼女の言葉を取り込んでみてください。

How powerful would our world be if we had kids who were not afraid to take risks, who were not afraid to think, and who had a champion?

もし子どもたちがリスクを恐れず 考えることを恐れず強い味方を持つようになったら この世はどれほど力強くなるでしょう

Every child deserves a champion, an adult who will never give up on them, who understands the power of connection, and insists that they become the best that they can possibly be.

どの子にも強い味方がいていいんです その子を決して見捨てず つながりの強さを理解し 子どもの力を最大限発揮させる大人が味方になってやるのです

Is this job tough? You betcha. Oh God, you betcha.

大変だと思うでしょう?そう、 実に大変です

But it is not impossible.

でも不可能ではありません

We can do this. We’re educators.

できます、だって私たちはは教育者だから

We’re born to make a difference.

だって私たちは世界をよくするためにに生まれたのですから

学習者にオススメのTED動画

「大人が子どもから学ぶべきこと」アドーラ・スヴィタク(What adults can learn from kids | Adora Svitak)

 

神童と呼ばれるアドーラ・スヴィタクは、7歳のときに、書きためていた300ほどの物語のうち9つを編集したものを本として出版しました。現在は、アメリカやイギリスで子どもを対象とした教育的な講演をはじめ、大人を対象とした啓蒙的な講演も行っています。

そんな彼女が2010年に世界には「子供っぽい」考え方が必要だ主張したTED Talk。子どもたちの大きな夢は高い期待を受けるのにふさわしいものであり、大人は子どもに教えるのと同じくらいに、子どもからも学ぶようにしてほしいと彼女は伝えています。

私が彼女のスピーチで最も納得したのは下の抜粋です。先ほど挙げたリタさんにも通じますが、「人間の信頼関係」に関する内容です。

Now, if you don’t trust someone, you place restrictions on them, right?

人を信頼しないとき その相手を制限することになります

Now, adults seem to have a prevalently restrictive attitude towards kids from every “don’t do that, don’t do this” in the school handbook to restrictions on school Internet use.

大人たちは一般に子供に対して 制約的な態度を取ります 事細かに 「あれは駄目」「これは駄目」と 書かれた学校の手引き書から 学校でのインターネット利用まで すべてです

As history points out, regimes become oppressive when they’re fearful about keeping control.

歴史が示す通り 管理に不安があるときほど 体制は圧政的になります

アドーラ・スヴィタクさんは上記のことを13歳でTEDの舞台に立ち、世界中の人に発信し現在もさまざまな講演を行っています。気になる方はこちら→から彼女がどのような講演を行っているか視聴できます。

 

今回紹介したTEDを用いた学習方法は、リスニングや音読の教材として使い方の例です。narynglishでは、TEDを用い、ディスカッション等にまで活動を広げリスニング・スピーキング力を強化するレッスンもご用意しております。TEDはあくまで教材です。そこから何を学び、どう自分の英語力を伸ばしていくのかは、みなさん自身の洞察力や努力が必要となります。この洞察力となるヒントを伝えたりや努力を重ねるサポートができるのがnarynglishです。英語学習に「advisor」の存在があれば、より効果的に着実に英語力を身につけることができるようになります。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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