マレーシア・クアラルンプール(KL)での旅の中で、私は「学びのあり方」について新たな視点を得ることができました。娘が体験したIB(国際バカロレア)の教育環境は、英語を学ぶことだけでなく、「対話」を通じた深い学びのプロセスを大切にしていることが印象的でした。例えば、私が『今日はなんていう言葉を学んだの?』と尋ねたところ、娘は『community!』と即答しました。日本の学校では中学生でもなかなか学ばない単語なのに、小さい子どもたちが当たり前のように使っていることに驚かされました。この経験を通じて、英語教育において何を大切にすべきか、そしてIBの理念がNarynglishとどのようにリンクするのかを考える機会となりました。
1. 娘がインターナショナルスクールで過ごした2日間
マレーシア滞在中、娘はIBのインターナショナルスクールで2日間過ごしました。その日の帰り道、彼女は興奮気味に「”community”という単語を学んだよ!」と話してくれました。そして翌日には、学校や自宅、お店、病院、動物病院などの地図の絵を描いて持ち帰ってきたのです。
この学びのプロセスにおいて、日本の学校と違うと感じたのは、多くの「対話」を通じて学びが進んでいることでした。
一方、日本の学校は受験の進度を意識する必要があるため、知識注入型の授業になりがちです。また、日本人は『質問力』が弱いという課題があり、授業やレッスンの『振り返り』が次の学びに活かされず、形だけになってしまうことも多いと感じています。IBの学びと比較すると、日本の教育は knowledge を身につける部分は強いものの、それ以外の思考力や探究力を伸ばすのが難しい環境になっているように思います。ただ単語を覚えるのではなく、その言葉がどのように自分の生活と関わっているのかを考え、言葉を使いながら学ぶ。その過程が、娘にとっても生き生きとした体験となっていたのが印象的でした。
2. IBの教育理念とNarynglishの共通点
IB教育は、学習者に求める姿勢として以下の10の資質を掲げています。
- Inquirers(探究する人)
- Knowledgeable(知識のある人)
- Thinkers(考える人)
- Communicators(コミュニケーションができる人)
- Principled(信念を持つ人)
- Open-minded(心を開く人)
- Caring(思いやりのある人)
- Risk-takers(挑戦する人)
- Balanced(バランスの取れた人)
- Reflective(振り返る人)
一方で、Narynglishの教育理念も「学びを通して成長すること」を重視しています。単なる結果ではなく、学習のプロセスを大切にし、学びを通じて行動を変えていくことを目指している点で、IBの理念と共通する部分が多くあります。
例えば、Narynglishでは「英語を学ぶこと」が目的ではなく、「英語を使いながら、自分の考えを深め、表現し、他者とつながること」を大切にしています。この点で、IBが掲げる「コミュニケーションができる人」や「探究する人」といった学習者像と重なります。
3. IBの理念を英語教育にどう活かせるか?
私は、IBの教育理念に大変共感し、関心を持ちました。しかし、具体的に英語教育の現場にどう落とし込めばよいのか、まだ模索中です。
例えば、一つのレッスンの中で意識できることとして、
- 生徒が主体的に「問い」を持つ時間を作る
- 自分の考えを言葉にする対話の場を増やす
- 単語や文法だけでなく、その背景や意義を考える時間を作る
実際に、レッスンでは主体的に考え話し、質問する時間も実際に設けてはいます。
また、年間を通して意識することとしては、Narynglishでは時事ネタをレッスンに組み込んでいますが、そこからもう一歩深く考えたり提案したりできるようにしたいと考えています。今は『Why?』に対して理由づけができることを目標にしていますが、そこに具体的な根拠を入れて話したり、その根拠を調べたりする力を養うレッスンを取り入れていきたいです。ただし、英語で行う以上、最低限の英語力をしっかり身につけさせることも重要であり、闇雲に発話を促すのではなく、『使いながら学ぶ』という意識を持たせたいと思っています。
- 学習者が「振り返る」ことを習慣化し、自分の成長を実感できる機会を作る
- 「バランスの取れた学び」を意識し、英語のスキルだけでなく、思考力や表現力を育てる
さらに、IBの理念を学ぶことで、世界中の教育者と学びを共有する機会も生まれます。国を超えた教育のつながりが、Narynglishの今後の英語教育に新たな視点をもたらしてくれるかもしれません。
5. この記事を読んでほしい人
- 英語学習のプロセスを大切にしたいと考えている親御さん
- 英語教育に関心があり、より探究的な学びに興味がある教育者
- 英語を学ぶことがゴールではなく、思考力や表現力も育てたいと考えている人
まとめ:学びのプロセスを大切にする英語教育へ
今回の旅で、IB教育に触れたことで、改めて「学びのプロセス」の大切さを実感しました。
- 学びは結果ではなく、プロセスを大切にすることが重要
- 対話を通じた学びが深い理解を生む
- 英語教育も「使うこと」「考えること」を重視するべき
まだ具体的にどう取り入れるかは試行錯誤の段階ですが、IBの理念を学び続けることで、Narynglishの英語教育をより充実させるヒントが見つかると感じています。
学びのプロセスを大切にするために、あなたが工夫していることはありますか? ぜひコメントやメッセージで教えてください!
「学びを通じて成長する英語教育」 を目指して、これからも探究していきたいと思います。
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