「映画で使われている英語を理解したい!」
「好きな映画の話を英語でやりたい!」
「大好きなディズニーに関することを英語で知りたい!」など英語学習、英語を学ぶ目的と洋画には深い関連がありますね。
時間に追われる現代。映画全編を見なくても、映画の原題と日本で使われる邦題を眺めるだけでちょっとした英語学習になります。また、英語の授業でもこの映画のタイトルを使ったレッスンができます。
今回は2023年夏に公開されたピクサー映画27作品目となる「マイエレメント」を記念し、ピクサー映画から原題・邦題のちがいを眺め、英語を楽しく学んでみましょう。
ディズニー・ピクサー映画一覧(2023現在)
ディズニー・ピクサー映画とは、もともとスティーブ・ジョブズが「ピクサー」という名前を付け独立会社を設立していたものを、2006年よりウォルト・ディズニー・カンパニーの子会社となった、ピクサー・アニメーション・スタジオが作った映画です。代表作は『トイ・ストーリー』や『リメンバーミー』など数々あります。個人の所感ですが、ピクサー映画は面白いだけでなく、どこか考えさせられる深いストーリーが多いです。だから、子どもだけでなく大人も見入ってしまいます。親子一緒に映画館に行くなら、うってつけの作品ですね。
それでは27作品の邦題・原題をリリース年と合わせて一挙ご紹介します。
① トイ・ストーリー ”Toy Story” (1995)
② バグズ・ライフ ”A Bug’s Life” (1998)
③ トイ・ストーリー2 ”Toy Story 2″ (1999)
④ モンスターズ・インク ”Monsters, Inc.” (2001)
⑤ ファインディング・ニモ ”Finding Nemo” (2003)
⑥ Mr.インクレディブル ”The Incredibles” (2004)
⑦ カーズ ”Cars” (2006)
⑧ レミーのおいしいレストラン ”Ratatouille” (2007)
⑨ ウォーリー ”WALL-E” (2008)
⑩ カールじいさんの空飛ぶ家 ”Up” (2009)
⑪ トイ・ストーリー3 ”Toy Story 3″ (2010)
⑫ カーズ2 ”Cars 2″ (2011)
⑬ メリダとおそろしの森 ”Brave” (2012)
⑭ モンスターズ・ユニバーシティ ”Monsters University” (2013)
⑮ インサイド・ヘッド ”Inside Out” (2015)
⑯ アーロと少年 ”The Good Dinosaur” (2015)
⑰ ファインディング・ドリー ”Finding Dory” (2016)
⑱ カーズ/クロスロード ”Cars 3″ (2017)
⑲ リメンバー・ミー ”Coco” (2017)
⑳ インクレディブル・ファミリー ”Incredibles 2″ (2018)
㉑ トイ・ストーリー4 ”Toy Story 4″ (2019)
㉒ 2分の1の魔法 ”Onward” (2020)
㉓ ソウルフル・ワールド ”Soul” (2020)
㉔ あの夏のルカ ”Luca” (2021)
㉕ 私ときどきレッサーパンダ ”Turning Red” (2022)
㉖ バズ・ライトイヤー ”Lightyear” (2022)
㉗ マイ・エレメント ”Elemental” (2023)
27作品の日英のタイトルを眺めるだけでも大変興味深いですね。
原題と邦題が違いすぎるタイトル5選
上のタイトルを見るだけでも原題(英語)と邦題(日本語)に大きな違いがあるのがわかると思いますが…私がおすすめする原題・邦題でのタイトルの違いが大きい作品を紹介します。個人的に好きな映画ばかり選んでしまった感否めませんが、もしこの記事に興味を持っていただけたら、作品もぜひご鑑賞ください。
レミーのおいしいレストラン “Ratatouille”
原題(Ratatouille)はフランス南部の野菜煮込み料理「ラタトゥイユ」のことです。
これは映画の中でネズミのレミーが批評家をうならせた一品で、映画のキーとなることからタイトルとなるのには容易に想像できますね。この料理に合わせてレミーがネズミ(Rat)であることにかけている、そうです。英語版のポスターでは“rat・a・too・ee”と発音を強調してもいるそう。
カールじいさんの空飛ぶ家 ”Up”
こちらはあまりにも原題と邦題がかけ離れすぎていて、もはや作品がイコールでつながりにくいですね。邦題をつけた時、宮崎駿監督の「ハウルの動く城」が流行っていて、それにあやかった邦題になったとか!? 原題 Upはもちろん、「上へ」という意味もありますが、今回は劇中で一緒に旅をする相棒のラッセルが”grow up(成長する)“ようにとの意味が込められているそうです。
インサイド・ヘッド “Inside Out”
新しい生活に慣れようとするライリーを幸せにしようと、彼女の中の「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の5つの感情が奮闘する物語。個人的にはこの邦題は秀逸!だと思っています。だって、頭(心?)の中の感情が奮闘する物語なんですもの!ちなみに英語のinside outは「裏返し」との意味。小ネタとして、劇中でのライリーの嫌いな食べ物は字幕版は「ブロッコリー」だけど、日本語吹き替えでは「ピーマン」となってるそう。アメリカでは子どもが嫌いな食べ物といえば「ブロッコリー」日本では「ピーマン」が定番なのでそのように変えてあるとか!This is interesting!
リメンバー・ミー “Coco”
メキシコの「死者の日」を元に「家族のつながり」を描いたこの作品。ミュージシャンを夢見る少年ミゲルと彼が出会ったガイコツのヘクターが「死者の国」で冒険をするファンタジー・アドベンチャーの作品。原題”Coco“は、主人公ミゲルのおばあちゃんの名前。邦題は、主人公ミゲルが大好きな曲の名前「リメンバー・ミー」が採用されています。この曲はこの物語のカギになるものです。見終わったら涙なしには聞けなくなること、そして歌いたくなることまちがいなし!
2分の1の魔法 ”Onward”
科学や技術が進化するに連れ魔法が消えかけてしまった世界で、自分に自信が持てないイアンが亡くなった父に会うため魔法を使い、失敗して“半分”(下半身)だけの姿で父を復活させてしまい、兄バーリーの助けを借りて、父を完全に蘇らせる魔法を探す旅に出る成長物語です。おそらく父親が”半分”だけ生き返ったことなどからこの“2分の1”というタイトルがついたのかもしれないのですが、原題の“Onward”には「前へ」「先に」という意味があります。このタイトルをつけた監督は、この単語にポジティブな感情を感じており、成人していく道のりを進んでいく、という意味を込めたそう。
以上、原題と邦題が違いすぎる作品5選でした。話の内容を知っていると、原題のままがいい!邦題の方がしっくりくるんじゃない?と考えられますね。興味がわいた人は、ぜひ映画もご鑑賞くださいね。
原題・邦題を使った英語レッスン5選
子どもたちの多くは映画を見ることも映画の感想を伝え合うのも大好きです。大人の私も鑑賞後はついつい映画の感想を話したくなってしまいます。授業で自分が見たことのある作品が取り上げられれば、英語学習へのモチベーションが上がることまちがいなし!、です。これから紹介するすべての活動は個人でもグループでも取り組めます。
原題・邦題のマッチング
上記に上げた作品でも、その他の作品でも構いませんが、英語のタイトルと日本語のタイトルのマッチングをするのは簡単でおもしろいですよ。1枚のプリントに原題・邦題両方を書いておくだけでOK! アルファベットや英語学習初心者には原題と邦題が似ているものがオススメです。ディズニーピクサー映画のように原題と邦題が大きく違うものが選択肢に入っている方が難易度が上がります。
あらすじとタイトルのマッチング
タイトルだけのマッチングではただの「勘」になってしまうこともあるので、 あらすじを伝えて考えさせるのもよいでしょう。
あらすじは日本語で伝え、原題を考えさせるのもよいですし、あらすじを英語で提示し、その内容をリーディングで理解させてタイトルを選ばせればリーディングを使った思考力+英語力を身につけさせることができます。
もちろん、あらすじを先生が読み上げてリスニングにするとリスニング+英語力をつける活動になります。
自分たちで英語のタイトル/日本語のタイトルをつける
原題/邦題を見せて英訳・和訳させるだけでもよいですが、せっかくなのであらすじを読んだり聞いたりして理解した後に自分たちならばどのようなタイトルをつけるのかを考えさせます。タイトルはあらすじを一言であらわすので短く端的に伝えるよい訓練になります。すべてを英語でやる必要はなく、タイトルをつけるところだけ英語でやってOK!ディスカッションは試行を伴うので、深く考えさせたいならば母語でやる方が深まると思います。また、ブレインストーミングでは様々なツール(今はやりのChatGPTとか!?)を使うのもオススメ!です。ただし、ちゃんと使い方を指導者がわかっておかなければいけません。もらったアイディアのただの書き写しにならないよう指導していくことが必要です。うまくいろいろな技術や自分たちの考えをまとめていく活動は、とても盛り上がることまちがいなし、です。
自分たちが作ったタイトルの理由・背景を説明する
タイトルづけの延長となる活動です。タイトルづけには、選んだ理由や背景を伴います。なぜそのタイトルにしたのかの説明を他の人に向けておこなう活動となります。難易度を上げるならば、「論理的に」伝える訓練を入れるとよいでしょう。AREAやOREOといった手法を学ぶよい機会になるでしょう。また、自分の意見を人前で発表するよい機会にもなります。自分の意見を伝える訓練に合わせて、効果的に自分の意見を述べる練習になるよう様々な手法を学び、工夫するとよいです。
グループ内のベストタイトルを決めるディスカッションをおこなう
英語学習の目的のひとつは、「自分の意見を英語で伝え周囲に受け入れてもらえること」だと私は思っています。いわゆるネゴシエーション(交渉)する力をレッスン内で身につけるのにぴったりなのがこの活動。それぞれが考えたタイトルと理由を聞き、出てきた中でベストタイトルを選んでも、自分たちの意見を組み合わせてもOK!「よりよいもの」を英語を使って協働してつくる活動です。英語の活動で最高難易度のひとつです。タフな活動ですが、だからこそ達成感が得られる活動でもあります。
今回、5つの英語レッスンプランをあげてみましたが、もちろんこれら以外にも取り組むことができる活動はあります。よかったらコメント欄でシェアしていただけると嬉しいです。
まとめ
今回は2023年夏までに解禁されたディズニーピクサー映画作品の原題・邦題をご紹介しました。また、その中から原題と邦題が違いすぎる作品を5つ、あらすじと共にご紹介しました。更に、映画のタイトルを用いた英語レッスンプランを5つ紹介しました。
英語学習は、「言語」を学ぶことはもちろん、それに付随する「文化」や「歴史」なども学ぶことが醍醐味です。映画鑑賞は言語や文化を学ぶ絶好の教材です。今は様々な媒体やサブスクなどで以前より手軽に映画鑑賞することができるようになっています。
ぜひ今回の記事を機に、タイトルにも目を向けて映画鑑賞をしていただけると違った味わい方ができるかも、ですよ。
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