「毎日ノートに書き写してるのに、なぜか身についた気がしない…」
「頑張ってるのに成果が見えない」と感じる中高生や保護者の声をよく聞きます。
前回の記事では、音読の効果と「音読で得られる3つの力」をご紹介しました(▶︎前の記事はこちら)。
今回は、その続きとして、音読を自学習慣に取り入れ、継続的に学ぶための具体的なヒントをお届けします。
音読を自学に取り入れることで、“ただの書き写し”では得られなかった気づきが生まれ、学びのモチベーションがグッと高まります。
書き写しだけじゃ足りない理由
多くの中高生が、テスト勉強や宿題で「英単語をノートに何回も書く」「教科書の例文をただ書き写す」学習をしています。しかし、書き写すだけでは定着を感じづらく、モチベーションが下がってしまうことも。
「ノートに書くだけで、本当に覚えてるのかな…」
そんな不安を抱える中高生にこそ、音読というシンプルだけど力強い方法をおすすめしたいのです。
自学に音読をプラスするメリット
アウトプット意識が高まる
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- 声に出して読むことで、英文のリズムやイントネーションに自然と注意が向きます。
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書き写しでは身につかない「耳と口で感じる英語力」が養われます。
理解度が“見える化”される
- 音読ログをつけると、どの箇所でつまずいたか、どこがスムーズに読めたかが一目瞭然に。
- 毎日の音読時間や回数、意識したポイントを記録することで、自分の弱点と成長が具体的に把握できます。
継続のモチベーションが生まれる
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音読ログに「今日の工夫」「昨日との違い」を書き残せば、小さな達成感が積み重なっていきます。
- ログにはシールやアイコンを貼るなど、視覚的な工夫をすることで、続けたくなる仕組みが作れます。
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これらのメリットを活かすことで、ただ英語を「こなすだけ」の自学から、「実感を伴う学び」へと自学の質が一段階上がります。
継続の鍵①:音読ログを活用しよう
音読を継続させるために、最も重要なのが音読ログです。以下のような項目をノートに書き込みましょう:
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- 日付・時間(例:6/5 18:00〜18:05)
- 音読範囲(例:教科書 Lesson4 p.23)
- 回数(例:3回)
- 意識したポイント(例:主語と動詞を丁寧に確認、意味をイメージしながら)
- 気づき・感想(例:「今日は〇〇の発音ができた」「△△の構文がスムーズに読めた」)
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例えば、次のような表を作ってみると、記録も整理しやすいです:
日付 | 音読範囲 | 回数 | 意識したポイント | 気づき・感想 |
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6/5 | Lesson4 p.23 | 3 | 主語と動詞を確認 | 前回よりスムーズに読めた。発音も意識できた |
6/6 | Lesson4 p.24 | 5 | 意味のまとまりを意識 | 文章全体の流れがつかめた |
「続ける」ためには、「できた」を見える形に残すことがコツ。記録することで、「今日はここまでできた」「昨日より進歩した」という実感が得られ、継続のモチベーションに直結します
ちなみに、教室では、narynglishで活用している学習手帳にもこのログを記録してもらっています。
継続の鍵②:5分からスタートして習慣化
中高生は部活や塾、学校行事で忙しいもの。音読をスタートする際は、まず1日5分だけという小さな目標から始めましょう。ポイントは以下のとおりです。
短時間でいいから毎日やる
- 5分あれば教科書1段落、あるいはワークの例文1つを音読する十分な時間が取れます。
- 毎日続けることで「音読が当たり前」の学習習慣が生まれます。
決まったタイミングをつくる
- 下校後の休憩時間や、寝る前など、毎日同じ時間帯に実施することで定着しやすくなります。
- スマホのリマインダーやカレンダーアプリを使うと忘れにくくなります。
- 使う教材は学校の教科書やワークでOK
- 高価なテキストや追加の教材を用意する必要はありません。
- テスト範囲や授業で扱った文章を音読することで、授業の復習にもつながります。
narynglishの生徒たちも、最初は「たった5分だけ」のスタートでした。そこから「今日の音は昨日より良かった」と感じたときの笑顔は、見ているこちらも嬉しくなります。
5分」の音読が習慣化されると、量よりも質を意識でき、「今日は意味を深く考えよう」「発音を意識しよう」という次のステップにも自然に移行できます続けることができれば、結果はあとからちゃんとついてくる。
実際、学習習慣は“できた”という実感の積み重ねで身につくことが、教育専門家の中でも指摘されています。 学習習慣をどうやって身につける?(Benesse 教育情報サイト)
継続の鍵③:意味重視の音読で学びを深める
音読は声に出すだけではなく、「意味→構文→スピード」の3ステップを意識することが重要です。忙しい中高生向けに、簡易版ステップをご紹介します。
意味をざっくり確認
- 訳を見ずに、まずは「この一文の意味は何か」を自分の言葉でつかみます。
- 書き写しやチェック用の辞書を使ってもOKです。
構文のポイントを押さえる
- 主語・動詞・修飾語がどこにあるか、簡単に確認。
- 重要な語句がどのようにつながっているかを意識するだけでも違いが出ます。
リズムを大切に音読する
- 声に出して読むときは、「意味のまとまりごとに息継ぎをする」「強調すべき単語を意識する」など、簡単なリズム感を意識します。
- 1〜2回はこのリズムをつかむ練習だけに集中してOK。
この3つのステップを1回ずつ行うだけでも、この3ステップを意識することで、英文が「ただの記号の並び」ではなく、「伝えたい内容を持った文章」に変わ理、英語の定着度がぐっと深まります。
特に「意味をざっくり確認」するだけで、書き写しのときには気づかなかった細かいニュアンスに気づけるようになります
「意味がわかってから読むと、スッと口から出てくるようになった!」という声も多く、音読の持つ力を実感する瞬間です。
継続の鍵④:小さな成功体験を重ねる
学習を続ける上で大切なのは、「自分が成長している実感」を得ることです。次のような工夫で、小さな成功体験を重ねましょう。
音読ログにシールやアイコンを貼る
- 今日の音読を完了したらチェックマーク、意味を理解できたら☆、など、自分なりのマークを用意。
- シールを貼ると視覚的に「継続した!」感が味わえます。
親子で確認タイムをつくる
- 保護者の方は「今日どこ読んだの?」と聞くだけでOK。
- その日気づいたポイントやつまずいた箇所を一緒に振り返ると、生徒も励みになります。
成長を共有する場を作る
- narynglishでは、音読ログを確認し、どんな学びがあったかを学習者自身の言葉で話してもらいます。
- 自分の学びを声に出して再確認することで、自分の成長や伸びを感じることができます。
こうした小さな成功体験の積み重ねが、毎日の音読を「続けたい学習」に変えていきます。
おわりに:ノートに書くだけが自学じゃない
書き写しだけでは見えなかった「英語の本当の姿」を、音読を通じて感じることで、学びの土台がしっかり築かれます。
音読ログをつけて、1日5分を習慣化し、意味重視で読むだけで、あなたの自学は格段に豊かになります。
まずは今日から、教科書を声に出して読む5分を取り入れてみてください。自分の成長を実感する第一歩として、音読ログに記録することも忘れずに!
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