演劇を英語レッスンのスパイスに -Feeling Dice革命-

英語学習方法

先日、中村麻里先生が主宰されているMELEPコミュニティで、Erika先生による「演劇と英語教育を活用したクリエイティブな英語指導の実践」というセミナーを受講しました。

演劇と英語教育。興味はあるけれど…

私は以前から、「演劇と英語教育は相性が良いだろうな」と感じていました。

英語は言葉です。本来、誰かに何かを伝えるために使うものです。

そう考えると、役になりきったり、感情を表現したりする演劇的な活動は、英語学習と非常に相性が良いはずです。

しかし一方で、私の中にはこんな思いもありました。

「演劇ってなんだか壮大そう」
「発表会でやるものでは?」
「どこから取り入れたらいいんだろう?」

興味はあるけれど、なかなか最初の一歩が踏み出せないーそんな状態でした。

 

「それなら私にもできるかも」と思えた瞬間

ところが、今回のセミナーを受講して、その考え方が大きく変わりました。

Erika先生が伝えてくださったのは、演劇を大掛かりな活動として捉えるのではなく、レッスンの中に小さなスパイスとして取り入れるという考え方でした。

感情をのせてみる。
少し役になりきってみる。
声の大きさや表情を変えてみる。

それだけでも十分に表現活動になる。

その話を聞いた瞬間、「あ、それなら私にもできるかもしれない」と思えたのです。

5分で完成!Feeling Dice作ってみた

そこで早速作ってみたのが、今回の「Feeling Dice」です。

といっても、制作時間はわずか5分ほど。感情のイラストはTwinkleさんの素材を使用し、サイコロは娘がハッピーセットでもらった箱を再利用しました。

学んだことをまずやってみる

私は英語教育において、この姿勢を大切にしています。

TRW Readersで実践してみた

このFeeling Diceを使ったのは、小学生クラスで使用しているTRW Readersという教材です。

TRW Readersは、フォニックスを学んだ後に使うリーダー教材で、子どもたちが既習のフォニックスルールを使いながら自力で読めるように設計されています。

TRW Readersでも音読活動を大切にしていますが、narynglishでは「ただ読む」のではなく、「意味を理解しながら読む」ことを大切にしています。

▶ 音読で伸びる3つの力についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

現在使用しているTRWのテキストは繰り返しの表現が多く、「読めた!」という成功体験を積み重ねやすいのが大きな魅力です。

今回使用したのは、”What can the cat smell?” のストーリー。

例えば、

“What can I smell?”

“Can I smell grass?”

“No, it’s not grass.”

といった流れでお話が進んでいきます。

同じ英文なのに、読み方が変わる

普段であれば、正しく読めているか、発音できているかを意識しながら音読を進めていきます。もちろん、それも大切です。

しかし、Feeling Diceを取り入れたことで、子どもたちの意識が少し変わりました。

サイコロを振って

「Happy」が出たら、嬉しそうに読む。

「Angry」が出たら、怒って読む。

「Sad」が出たら、泣きそうな声で読む。

「Shocked」が出たら、びっくりしながら読む。

すると、同じ文章なのに全く違う音読になるのです。

特に面白かったのは、

“Hmm, what is it?”

の部分でした。

Happyなら明るく長めに。

Angryなら少し低い声で。

Sadなら元気なく。

Shockedなら驚きを込めて。

たった一言なのに、感情によって表現が大きく変わります。

また、

“Is it in the tent?”

“No, it’s not.”

“Is it in the truck?”

“No, it’s not.”

という部分では、

怒って読むと少し早口になって焦っている感じが出たり、

楽しそうに読むとおどけているように聞こえたり。

子どもたちは自然と声色やスピードを変えながら表現を楽しんでいました。

子どもたちに起きた一番大きな変化

TRW Readersは積み上げ型の教材です。

少しずつ読める単語や文が増えていく構成になっています。だからこそ、積み上がってくると大きな達成感があります。

その一方で、読むことに自信が持てない子は、文章が長くなるにつれて負担を感じることもあります。

これまでのレッスンでも、

「もう少し大きな声で読んでみよう」

「もう一回チャレンジしてみよう」

と声をかけることがありました。

ところが、Feeling Diceを取り入れた日は様子が違いました。

子どもたちの意識が、「正しく読むこと」から「どう表現するか」に移ったのです。

ミスをしないことよりも、

「もっと怒ってみよう!」

「もっと悲しく言ってみよう!」

の方が大事になった。

すると、多少の読み間違いを気にせず、自信を持って声を出せるようになりました。

英語が「読むもの」から「表現するもの」へ

普段は声が小さめの子も、いつもより大きな声で読んでいました。

その姿を見ながら、英語が「読むもの」から「表現するもの」へ変わっているのかもしれない、と感じました。

感情をのせることで、英文が少しずつ自分の言葉になっていく。

それは、単なる音読練習とはまた違った学びです。

今回のFeeling Diceは、小さな教材です。

でも、その小さなサイコロが見せてくれた可能性はとても大きいものでした。

Feeling Diceの先にあるもの

将来的には、スキットやロールプレイにも発展させてみたいと思っています。

そしていつかは、レッスングループごとのオリジナル英語劇や、その場でみんなと作り上げる即興劇にも挑戦してみたい。

発表会で私が大切にしている考え方はこちらの記事にも書いています。

今回の実践を通して、演劇は特別なイベントのためのものではなく、日々のレッスンの中に取り入れられる学びのスパイスなのだと感じました。

子どもたちが英語を「学ぶ」だけでなく、「表現する」楽しさを感じられる教室へ。

また一つ、新しい扉が開いた気がしています。

投稿者プロフィール

narynglish
narynglish
英語指導歴20年以上/英検1級/元高校英語教員
長崎県諫早市の英語教室「narynglish」主宰 吉田恵子(Nary/ナリ)

【学歴・職歴】
• 大学在学中 カリフォルニア州立大学フレズノ校へ1年間交換留学
• 2000年   長崎県公立高校教諭として採用
• 2008年   早稲田大学大学院教育学研究科 修士課程修了
• 2023年   公立高校教諭を退職後、narynglishを起業

一人ひとりの「わからない」を大切に、「つまづき」を飛躍のチャンスに変える英語レッスン。
実践的な英語力に加え、自分で考える力・継続力・非認知能力を英語を通して育みます。
中学生、高校生が将来にわたって英語を使いこなせるよう、英検対策・定期テスト・留学準備を土台から支援。
「安心して取り組める」「前向きになれる」と評判で、naryとまた学びたい!と言ってもらえる英語教室です。レッスン方法は、対面・オンライン・ハイブリッドの形式から選べます。

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