一つのおにぎりから、学びはどこまで広がる?

英語レッスン、イベント

「どうして、おにぎりの写真を投稿するだけで給食が届くの?」

今回のレッスンで、子どもたちからこんな質問が飛び出しました。

おにぎりの写真を撮って投稿する。それだけで、世界のどこかにいる子どもたちの給食につながる。

考えてみれば、不思議ですよね。

長崎県諫早市の英語教室narynglishでは、今年、幼児から小学生、中高生、そして大人まで、教室全体で「おにぎりアクション」に取り組みました。

おにぎりを作る、英語で紹介する、英文を読んで話し合う。

同じテーマでも、年齢や英語力によって活動はさまざま。

今回は、そんなレッスンの様子と、取り組みを終えて私自身が考えたことをご紹介したいと思います。

英字新聞で出会った「おにぎりアクション」

私がおにぎりアクションを知ったのは、たまたま読んだ英字新聞の記事がきっかけでした。

おにぎりアクションは、TABLE FOR TWOが主催する社会貢献活動です。

おにぎりにまつわる写真を撮影し、指定のハッシュタグをつけてSNSに投稿するなど、所定の方法で参加すると、協賛企業の寄付によって、支援を必要とする子どもたちに給食が届けられます。

この取り組みを知ったとき、素敵だなと思いました。

住んでいる場所も、年齢も関係ない。特別な知識や技術がなくても、誰かのために行動できる。

自分たちの小さな行動が、世界のどこかにいる誰かの幸せにつながる。

そんな経験を、レッスン生たちにも届けたいと思ったのです。

そして、私にとってもう一つ大切だったのは、この取り組みを英字新聞で知ったということ。

私は、英語は社会を知り、世界を広げるためのツールだと考えています。

英語を学ぶことで、それまで知らなかった世界に出会う。

そこで生まれた疑問から、また新しい学びが始まる。

今回のおにぎりアクションも、そんな機会になればと思いました。

 

一つのテーマから、年齢に応じたさまざまな学びへ

今回の活動では、全員が同じことをしたわけではありません。

年齢や英語力、これまでに学習してきた内容に合わせて、レッスンを組み立てました。

幼児・小学生|英語と体験を結びつける

小さな子どもたちのクラスでは、ハロウィンおにぎり作りに挑戦!

 

それまでに学んだ色や形、数などの英語を使いながら、思い思いのおにぎりを作りました。

丸や三角の形を作ったり、目や口をつけたり。

普段レッスンで学んでいる英語が、目の前の具体的な体験と結びついていきます。

私は普段から、体験と言葉が結びつくレッスンを心がけています。

英語の単語を覚えることも大切ですが、実際に見たり、触れたり、使ったりした経験があることで、言葉はより意味のあるものになると思うのです。

また、一部のクラスではレッスンの後半をオープンクラスにして、保護者の皆さんにも参加していただきました。

親子で一緒におにぎりを作る時間。

保護者の皆さんにとっても、おにぎりアクションを知るきっかけになったようで、とても嬉しかったです。

中学生|地元の食文化を英語で表現する

中学生には、自分たちの「ご当地おにぎり」を考案し、英語で発表してもらいました。

自分たちの住む地域には、どんな食材や料理があるだろう?

それをおにぎりにしたら、どんな組み合わせが面白いだろう?

身近な食文化に改めて目を向け、自分のアイデアを英語で表現する活動です。普段何気なく食べているものにも、その土地ならではの文化があります。

 

おにぎりを通して、地元の魅力を見つめ直す機会にもなりました。

身近なニュースから地元の魅力を考える活動は、以前のJR九州×マリオを題材にしたレッスンでも取り入れました。一つのテーマから、子どもたちの発想が広がっていく面白さを感じています。

 

中高生・大人|ReadingからDiscussionへ

中高生や大人のレッスンでは、おにぎりアクションについて書かれた英文を読み、そこからDiscussionへとつなげました。

英文から情報を得る。そして、その内容について考え、自分の意見を英語で伝える。

私が大切にしているのは、Readingを単なる読解問題で終わらせないことです。

英文の意味が理解できたら、それで終わりではなく、

「あなたはどう思う?」

「自分だったらどうする?」

と、もう一歩先へ進んでみる。

英語を使って、自分の考えを深めたり、誰かと共有したりする時間を大切にしています。

ちなみに、大人のレッスン生の中には、ご当地おにぎりを考えてくださった方も。

青紫蘇をおにぎりに巻いて焼くアイデアや、もつ鍋をアレンジしたおにぎりなど、ユニークな発想が次々と登場しました(笑)。

同じテーマでも、年齢や経験によって違った発想が生まれるのは面白いですね。

「なぜ?」から始まった、もう一つの学び

今回、特に印象に残っているのは、子どもたちから出てきた質問です。

「どうして写真を投稿するだけで給食が届くの?」

「どこの国に給食が届くの?」

そこで、協賛企業がこの活動を支えていることを説明したり、TABLE FOR TWOの公式サイトを一緒に見て、給食が届けられる国を確認したりしました。

おにぎりを作るという身近な活動から、社会貢献の仕組みや世界の食料問題へ。

特に小学校高学年以上の子どもたちは、レッスン中の質問や反応から、この取り組みに興味を持ってくれていることが感じられました。

最初から社会の仕組みについて教える授業を計画していたわけではありません。

でも、子どもたちが疑問を持ったことで、そこから新しい学びが生まれました。

こういう瞬間が、私は好きです。

教室の外へ広がった、おにぎりの輪

そして今回、もう一つ嬉しい出来事がありました。

ある大人のレッスン生が、おにぎりアクションの取り組みにとても感動され、おにぎりを販売しているお店や、おにぎりを提供しているホテルなどにも、この活動を紹介してくださっていたのです。

そのことを後から知り、本当に嬉しくなりました。

私が英字新聞で知った一つの取り組み。

それが教室のレッスンになり、子どもたちや保護者の皆さんに伝わり、さらに地域のお店やホテルへ。

誰かが知ることで、また別の誰かへと広がっていく。

そんなおにぎりの輪が生まれていたことに、喜びを感じました。

子どもたちに、どこまで伝わったのだろう?

今回の活動を終えて、ふと考えたことがあります。

それは、子どもたちに、どこまで伝わったのだろう?ということ。

自分たちの小さな行動が、誰かの幸せにつながる。

そんな喜びを感じてほしくて始めた取り組みでした。

でも、実際に子どもたちが何を感じ、何を受け取ったのかはわかりません。

小さな子どもたちにとっては、ハロウィンおにぎりを作った楽しい思い出として残るのかもしれません。

それでも、いつか世界の食料問題について学んだとき、今回の経験を思い出すかもしれない。

あるいは、自分の小さな行動が誰かの役に立つと知ったとき、「そういえば、あのときも」と思うかもしれない。

もちろん、そうなるかどうかはわかりません。

でも、今すぐ何かが伝わらなくても、いつか別の経験や学びと結びつくことがある。

私は、そんな可能性も大切にしたいと思っています。

英語を学ぶ、その先へ

私たちは毎日、さまざまな選択をしながら生きています。

その小さな選択が、自分だけでなく、周りの人を笑顔にしたり、誰かの心や体を豊かにしたりすることもある。

そんな喜びを、子どもたちにもいつか味わってほしい。

だからこそ、英語を学ぶことを、英語を学ぶだけで終わらせたくないのです。

英語を学ぶことを、教室の中だけで終わらせない。そんな思いから、台湾の小学生とのオンライン交流など、英語を実際に使いながら世界とつながる活動にも取り組んでいます。

英語を通して社会を知る。

そこで生まれた疑問を、自分なりに考える。

そして、できることがあれば、小さな一歩を踏み出してみる。

今回のおにぎりアクションは、そんな学びの一つになりました。

一度のレッスンで何かが大きく変わるとは限りません。

それでも、体験と言葉を結びつけながら、社会に目を向ける機会をこれからもつくっていきたいと思っています。

一つのおにぎりから始まった学びの輪。

これから、どこまで広がっていくのでしょうか。

投稿者プロフィール

narynglish
narynglish
英語指導歴20年以上/英検1級/元高校英語教員
長崎県諫早市の英語教室「narynglish」主宰 吉田恵子(Nary/ナリ)

【学歴・職歴】
• 大学在学中 カリフォルニア州立大学フレズノ校へ1年間交換留学
• 2000年   長崎県公立高校教諭として採用
• 2008年   早稲田大学大学院教育学研究科 修士課程修了
• 2023年   公立高校教諭を退職後、narynglishを起業

一人ひとりの「わからない」を大切に、「つまづき」を飛躍のチャンスに変える英語レッスン。
実践的な英語力に加え、自分で考える力・継続力・非認知能力を英語を通して育みます。
中学生、高校生が将来にわたって英語を使いこなせるよう、英検対策・定期テスト・留学準備を土台から支援。
「安心して取り組める」「前向きになれる」と評判で、naryとまた学びたい!と言ってもらえる英語教室です。レッスン方法は、対面・オンライン・ハイブリッドの形式から選べます。

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